通信距離はどのくらい?

業務用無線機で通話できるのは、どのくらいの距離でしょうか?

当社で取り扱う業務用無線機(特定小電力無線、簡易無線・小エリア無線、一般業務用無線)は、おもに150MHz帯から400MHz帯のVHF(超短波)・UHF(極超短波)の、業務用無線に定められた電波を利用しています。
これらの電波は、近・中距離の通信に適しています。FM形式の電波は比較的音質がよく、ノイズ等にも強い特性を持っています。

  • 特定小電力無線
  • 簡易/小エリア無線
  • 一般業務用無線
  • MCA無線
特定小電力無線

周波数帯

400MHz帯

出力

10mW以下

通信距離のめやす※

見通しの良い場所で、約1km~2km
市街地で約100~200m

特長

法令上アンテナの取り外しができない。

※単信通話(交互通話式)の場合。同時通話式の場合、約半分となります。

通信距離は、諸条件により異なりますが、この他、建物の中で中継器を使用しない場合は、2~3階程度が通話エリアになります。また、中継用無線機(レピーター)を見通しの良い高所に設置すれば、半径1kmほどの通話エリアを確保することも可能です。

ご紹介した通信距離はあくまで目安です。実際に使用する環境、状況により異なります。

簡易無線

周波数帯

150MHz帯

400MHz帯

出力

1~5W

1~5W

通信距離のめやす

見通しの良い場所で、約10km~約20km
※基地局と移動局が交信の場合

見通しの良い場所で、約10km~約20km
※基地局と移動局が交信の場合

特長

山間部など、建物などの障害物が少ない場所での通信に適している。

地下階を除いた建物内や、都市部での通信に適している。

当社で取り扱う簡易無線には、150MHz帯と400MHz帯の2つの周波数帯があり、使用する無線機は、それぞれ別のものになります。電波の波形による特性から、それぞれ、使用に適する場所が異なります。

 

小エリア無線(小エリア通信システム)

周波数帯

300MHz帯

出力

1W

通信距離のめやす

見通しの良い場所で、約2~3km
※移動局と移動局での交信の場合

特長

比較的空いている周波数帯のため、混信の可能性が少ない。

イベント会場などの簡易無線が頻繁に使用される場所では、通信状況が勝るケースもあります(使用される場所によっては混信することもあります)。

一般業務用無線

用途により異なります。ご利用になりたい状況を販売店、または当社までご相談ください。

MCA無線(デジタルMCA無線; mcAccess e の場合)

周波数帯

800MHz帯

出力

800MHz帯

通信距離のめやす

制御局を中心に
半径20~30km程度

特長

制御局がユーザーコードごとに通信相手を振り分けるので、混信がない。

MCA無線は、財団法人移動無線センターが設置・運営する無線制御局を利用して通信を行うシステムです。
制御局は、高層ビルの屋上や見通しのよい山頂などに設置されています。エリアによって通信距離は変わりますが、おおよそ、制御局から半径20~30kmが通信可能となります(制御局からの電波を遮断する高層ビルや山陰などでは通信できない場合もあります)。
デジタルMCA無線は、複数の制御局を利用できるため、全国利用の申し込みをすれば、北海道から九州までの全国エリアでの通信も可能です。

安定した通信には、アンテナがポイントです。

無線機は、アンテナを通して電波の送受信をおこないます。いわば電波の出入口と言え、安定した通信を行うためにはアンテナの取扱いに注意する必要があります。
基本的にアンテナは、高所に設置すれば、より広い通話エリアをカバーできます。基地局無線機のアンテナや、屋外設置型の中継装置などは、屋上など高度があり、周囲に障害物がない場所に設置することをおすすめします。また、車載型無線機のアンテナも同様に、できるだけ車の高い位置に設置し、必ずアースをとるようにしてください。