業務用無線とはどんなもの?

業務用無線とはどのようなものですか?

公共機関から一般企業まで、さまざまな業務連絡のために使用される無線のことで、「業務無線」とよばれることもあります。
用途や通信エリアによっていろいろな種類の無線があり、各種の業務用無線は電波法により、仕様や通信の目的を規定されています。

どんな種類がありますか?

  • 特定小電力無線
  • 簡易/小エリア無線
  • 一般業務用無線
  • MCA無線
特定小電力無線
    • 免許・申請が不要で、購入したその時点から使用できる(※)
    • 用途の制限がなく、業務連絡でも、レジャーでも使用できる
    • 出力が10mW以下に制限され、比較的狭い通信エリア特定小電力無線
    当社が取り扱いしている音声通信用のものは、周波数が400MHz帯(UHF帯)で、単信通話用(交互に話す通話方式)で最大20チャネル、中継通信および同時通話用で最大27チャネルの使用が可能です。

また作業連絡用の同時通話タイプは、機種により使用できるチャネル、通話人数が異なります。

多人数同時通話型無線システムの製品一覧はこちら
※回線補償器(通信エリアを拡張するアンテナ設備)を設置する場合に限り、免許申請が必要となります。

  • 簡易無線
  • 免許申請が必要/無線従事者等の資格は不要
  • 従来はアナログ機のみであったが、2024年のUHF帯アナログ簡易無線のデジタル化を受け、デジタルモデルが登場した(デジタル・アナログデュアルモード含む)

    (簡易無線のデジタル化についてはこちら)

  • デジタル機には、「免許局」と「登録局」の2種類がある

    (「免許局」と「登録局」についてはこちら)

  • アナログ

    周波数は150MHz帯(VHF)に9チャンネル、400MHz帯(UHF)に35チャンネル

  • デジタル

    免許局:400MHz帯(UHF)に65チャンネル
    登録局:350MHz帯(UHF)に30チャンネル

  • 出力最大5W、見通しのよい屋外、条件のよいロケーションであれば、通信エリアは数km
  •  
    • 小エリア無線(小エリア通信システム)

    • 出力1Wの携帯型専用の無線
    • 簡易無線とは別の300MHz帯に20チャンネル(うち2チャンネルはデータ通信専用)
    • 出力は1W以下に限定、簡易無線よりは比較的狭通信エリアで、空中線(アンテナ)の分離は不可
    • 特定小電力では届かないが、簡易無線ほどの出力は不要な場合に使用されることが多い
    • ※ここでいう「簡易無線」は150MHz帯~400MHz帯の中に分類されるものを指定しています。

一般業務用無線

簡易無線や特定小電力無線を除く、さまざまな用途で用いられる業務用無線の総称です。

  • 簡易無線や特定小電力無線を除く、さまざまな用途で用いられる業務用無線の総称
  • 大きく分けて「公共系」と「一般企業系」がある
  • 「公共系」は電気・ガス・上下水道や各種交通機関で使用される
  • 「一般企業系」ではタクシー・警備・マスコミなど、公共性の高い事業で使用される
  • ともに、用途ごとの専用の周波数が与えられている
  • 通信の目的が限定され、法令で定める定期点検などの義務がある
  • 一般の事業者が新規の免許人になるには困難な場合がある
  • 「各種業務用無線」と呼ばれることもある

MCA無線

財団法人移動無線センターが設置する制御局(専用の電波を正しく相手に振り分ける役目をする)を利用して、広域な通信エリアをカバーする無線システムです。MCAとは「マルチチャンネルアクセス」の略語です。 当社では、800MHz帯のデジタル無線機(携帯機、車載機)の取扱いをしております。

  • 多数のチャネルを多数のユーザーが共同利用し、通信時に自動制御でチャンネルを割り振るため、混信なく電波を有効利用できる
  • 従量制の通話料は不要だが、無線機1台ごとの制御局利用料が必要(別途電波利用料の納付も必要)
  • 複数の制御局を利用でき、全国利用の申し込みをすれば、北海道から九州までの全国エリアでの通信も可能。公衆回線への接続も可能

※JSMRやNEXNETシステムなど同じマルチチャンネルアクセス技術を用いたシステムと、ここで説明する「MCA無線」との互換性はありません。

「トランシーバー」という言葉を耳にしたことがあるのではないでしょうか。
トランシーバーとは、送信機と受信機を一体にした携帯用の無線通信機全般のことを言います。